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声明  ロシアのウクライナ侵攻に強く抗議し、即時撤退を求めます

平和・人権
 2月24日、ロシア軍がウクライナへの軍事侵攻を開始しました。報道によりますと、すでに多くのウクライナ市民に死傷者が出ています。
 今回のロシアによるウクライナへの侵攻は、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害する明白な国際法・国連憲章に違反するものです。いかなる理由があろうとも、武力による他国への侵攻は許されるものではありません。

 私たちは、全日本民主医療機関連合会(以下、民医連)と日本医療福祉生活協同組合連合会(以下、医福連)に加盟し、その理念の実現を目指しています。民医連綱領は、「人類の生命と健康を破壊する一切の戦争政策に反対し、核兵器をなくし、平和と環境を守ります」と謳い、医福連の理念は「健康をつくる、平和をつくる、いのち輝く社会をつくる」と謳っています。

 ロシア大統領は「自衛のため」と言い、今回の侵攻の正当性を主張しています。しかしウクライナがロシアに侵攻した事実があったのでしょうか。「自衛」とは偽りと詭弁でしかないのではないでしょうか。
 いまだ世界には、さまざまな紛争がありますが、多くの国は武力ではなく、話し合いによる解決を目指しています。

 戦争は最悪で最大の人為的な健康阻害要因です。そして、人種、民族、国籍などを問わず住民・市民のいのちと日々の暮らしを奪うものです。全世界の人々が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに健康で生きる権利を有するのは、人類が長い歴史を通じて到達した普遍的原則です。命と健康を脅かすものは、コロナをはじめとする「病気」ばかりではありません。戦争こそが、最大の脅威に他なりません。

 平和憲法の下で人々のいのちと健康を守ることを任務とする、すべての医療・介護従事者にとって、戦争を忌避し、平和を希求することは、譲ることのできない基本姿勢です。平和を脅かす侵略行為をただちに中止し、平和的な解決を図ることをロシアに強く求めます。

2022年3月8日        
川崎協同病院 院長 田中 久善