アニサキス食中毒に注意!
疾患・病気
発生件数が近年増加 アニサキスは魚に寄生する寄生虫の一種で、人が、幼虫が寄生した刺身などを食べたときに、激しい腹痛や嘔吐などの症状を起こします。近年、発生件数が増加していて、厚生労働省の統計によると令和3年日本の食中毒発生件数ワースト3のうち、1位がアニサキス(344件354人)でした。1年間の総数が717件なので、アニサキス原因が高頻度に発生していることがわかります。 アニサキスは、半透明白色で体長2~3㎝、幅0.5~1.0㎜位。寄生するのは幼虫で、主に魚などの内臓にいますが、私たちが食事で魚を食べるころには身の方に移動しています。寄生されやすい魚は、アジ、イワシ、サバ、サンマ、カツオ、イナダ、イカなど、ふだん食べることが多い魚です。 | ![]() |
![]() | 調理時にチェック 加熱・冷凍で防ぐ 加熱して食べる際には、中心までよく火をとおすことで防ぐことができます。また、中心まで完全に凍結することでも防ぐことができます。生で食べる際は、調理時や提供時に目視でしっかりチェックし、上記のような特徴のものがいないかを確認します。 特に内臓に近いハラス部分などは要注意です。 内臓を生で食べるのはやめて、生身は早期に内臓を除去し、低温4度以下で保存することが大切です。 アニサキス食中毒の症状は食べてから数~数十時間後に出やすく、みぞおちに激痛が感じたり、吐き気や嘔吐、激しい下腹部痛があったりします。いずれもつらい症状となりますが、他の疾患の可能性もあるため、医師の診断を受けることが大切です。 治療方法としては、胃カメラで検査し鉗子を使ってアニサキスを除去する方法や、内服薬で処置することがあります。 川崎協同病院 栄養科 佐藤弓扇子 |