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まずは婦人科検診を! 協同ふじさきクリニックで

疾患・病気

2022年9月から土曜午前も外来診療
第2・4火曜はレディースデー 


 協同ふじさきクリニックの婦人科ではこれまで藤島淑子医師(婦人科部長)が、尿漏れや子宮脱外来、女性アスリート外来などを担当してきましたが、このほど阿部靖子医師が加わり、診療の幅が広がりました。2022年9月からは、土曜日の午前にも外来診療が行われ、また第2・4火曜日はレディースデーとして、女性スタッフによる子宮頸がん検診を含む健康診断を行っています。健診の予備知識として阿部医師が、子宮頸がんなどについて解説します。

子宮頸がんは30代に多い

 子宮頸がんは別名マザーキラーとも言われ、罹患率が高い年代は30代です(上皮内がん含む)。日本では毎年約3万人が罹患し(同)、約2800人が亡くなっています(全国がん罹患データ2018・全国がん死亡データ2020より)。
 他のがんと同様、子宮頸がんも「早期発見早期治療」が大切です。そのためには子宮頸がん検診が有効です。日本では20歳以上の女性に、2年に1回の子宮頚がん検診が勧められ(協同ふじさきクリニックでは1年に1回を推奨)、行政からの費用補助もあります。
 しかし、受診率は世界各国と比較しても非常に低いままです。とくに年代別で見ると20‐24歳の受診率が15.1%と最も低くなっています。


予防のためにワクチンを

 子宮頸がんの約9割はHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因です。ウイルス感染を予防するためにはワクチン接種が有効です。接種することにより、子宮頸がんの原因を50~70%防ぐことができると言われています。
 厚生労働省は、2022年4月からHPV感染を予防するワクチンの積極勧奨再開を決め、全国に通知しました。川崎医療生協の病院・診療所(1部を除く)でも接種ができ、協同ふじさきクリニックでも、接種できます。
生理痛も我慢しないで

 生理痛で悩んでいる人には、生理痛の原因となる病気が隠れていないかを探る必要があり、そのためには婦人科の診察を受けることが有効です。生理痛の原因は、子宮内膜症や子宮腺筋症が多く、子宮筋腫や卵巣腫瘍なども見つかることがあります。
 通常、子宮内膜は子宮の内側の表面にあり、妊娠の準備をしています。妊娠がおこらないと、子宮からはがれて出血し生理になります。
 子宮内膜症は、この子宮内膜組織が子宮以外の卵巣や腸の腹膜などに発生し、増殖や出血を起こす病気です。卵巣や腹膜などに癒着したり、卵巣内に血液がたまって腫れたりします。また、子宮筋層内で子宮内膜組織が発生するのを子宮腺筋症といいます。
 内膜組織は月経周期に合わせて増殖するため、月経時の血液がたまったり、周囲の組織と癒着して痛みを起こし、生理痛や、不妊の原因にもなります。子宮内膜症などには薬剤で病気の進行を抑え、生理痛を緩和することが可能です。
 子宮筋腫は、それだけでは生理痛の原因になることは少ないですが、大きさやできる場所によっては生理痛や過多月経の原因となり、痛み・貧血をきたすことがあります。子宮筋腫には薬物治療や手術を行います。

初めまして
阿部靖子です


 2022年7月より協同ふじさきクリニックに赴任しました。私は2004年杏林大学を卒業後、東京民医連立川相互病院で初期・後期研修を行ったのち産婦人科を専門として診療してきました。なんでも相談してもらえる女性のためのプライマリケア医になろうと思ったのが産婦人科を志したきっかけです。
 婦人科を受診するのはハードルが高いと感じる人も多いと思います。まずは気軽に子宮がん検診を受けてみてはいかがでしょうか? みなさんにとって安心して受診できるかかりつけ婦人科になれるよう、スタッフ一同気持ちを引き締めて診療などに取り組んでいきます。

協同ふじさきクリニックのホームページはこちらです⇒http://www.fujisaki-clinic.jp/index.html