入院診療は、急性期・慢性期問わず幅広く対応しております。消化管疾患においては、上下部消化管出血、炎症性腸疾患などの良性疾患の管理はもとより、胃・大腸のポリープに対する内視鏡治療、進行癌に対する薬物療法を行っています。消化管の早期癌に対する内視鏡治療に関しては、病変の大きさや部位によって、当院でEMRやESDを施行し、困難症例については、専門病院へ紹介させて頂いています。また、適応に応じて内視鏡的胃瘻造設術を行っております。
肝疾患においては、肝炎の原因精査の為の肝生検や肝腫瘍に対する腫瘍生検を行います。肝硬変に対しては、腹水や肝性脳症に対して、栄養療法や内服治療・生活習慣の改善によるコントロールや胃・食道静脈瘤に対する内視鏡的治療(EIS・EVL)を行います。2019年度からは、肝細胞がんに対する血管塞栓術(TACE)や薬物療法を開始しています。
胆膵疾患においては総胆管結石や悪性腫瘍による閉塞性黄疸、胆道感染症に対する内視鏡・経皮的治療を積極的に行い、超音波内視鏡を用いた精査(EUS-FNA含む)も、可能な限り対応しています。また、慢性膵炎に対する内視鏡的治療として、膵石除去や膵管ステント留置術を行っています。進行した膵がん・胆管がんに対しては、積極的に薬物療法を行っています。
外来診療は、協同ふじさきクリニックに専門外来を週2単位設けており、予約外来の形式ではあるものの、予約外でも消化器疾患の新患や紹介を積極的に受け入れております。また、2015年度より神奈川県の肝臓病治療認定施設に登録され、C型肝炎に対してインターフェロンフリーの経口薬(DAA)を行っています。8~12週の内服治療を行い、95%近くのウイルス排除ができるようになりました。
川崎市は胃がん検診として従来の胃透視だけでなく、全国的にも早い段階で内視鏡検査を取り入れており、当院においても積極的に行っております。健診で便潜血陽性の患者に対して積極的に大腸カメラを行うようにしてきました。しかし、便潜血陽性のうち内視鏡受診率が20~30%と低いことが問題となっており、大腸カメラの有用性について、啓蒙活動を行っていきます。